「びさい堂」
こんばんはー。
今日は少し長めです。
近所の本屋さんが、先月いっぱいで閉店。
小さな街の小さな本屋。
素敵な夫婦の本屋。
小さな本屋だから、置かれている本も限られていました。
店頭にない本もたくさんあります。
だからない本はお取り寄せ。
しかもご主人の無料配達付き。
わたしの父なんて、
某ネットショップで欲しい本を探し、
注文はこの本屋。
「びさい堂」はこの街専属のアマ○○のような存在だったのかも。
最後に一目夫婦に会おうと、
先日、夜の散歩がてらそこに立ち寄りました。
ちなみに、本屋のある通りは夜の散歩コース。
店仕舞いをするご主人とのたわいのない会話。
小さな幸せを感じるものでした。
その晩は、すでに先客さんが。
父と、もう一人アラサーであろう男性。
カメラマンである父は、夫婦と本屋をひたすらにパシャパシャ。
アラサーであろう男性は常連さんでした。
なんとも、プロのボートレーサーだそうで。
試合に行く前、必ずこの本屋に立ち寄り、
小説を一冊購入。
それを読み終えてから、試合に出発したんだとか。
試合前の彼のルーティーンです。
「本を買う場所がなくなる。」
と、その男性は言っていました。
本屋なんてそこらじゅうにあるはずなのに。
彼にとっての 「本を買う場所」は「びさい堂」。
「びさい堂」の代わりになる本屋は、本屋ではないのかもしれません。
ボートレーサーやわたしの家族だけではありません。
この街の多くの人がそこで本を買い、
夫婦のあたたかさに触れてきたことでしょう。
本屋もチェーン店が主流なっている今の世の中、
こういった人と人の繋がりが感じられる本屋が無くなることは、
とても淋しく、
一方で、
そのどうしようもない現実に
悔しくも思います。
今日も、
「びさい堂」と書かれた年季の入ったシャッターの横を通りすぎ、
ため息が漏れるわたしなのでした。
では、今夜はこのへんで。
いい夢を。
ーこうきしんブログー